ずいぶんとご無沙汰となってしまいましたが、先日 硫黄山と甑岳に行った時の続きとなります。
甑岳の名前の由来については、弥生時代以降に使用されていた お米や豆等を蒸すのに用いられていた『甑』という道具に由来しているのではないか。というのが一つの説だそうです。
そう言われてみれば、甑岳は甑という古代の調理器具をひっくり返した様な形に見えなくもないですね。写真の物はちょっとのっぽな感じもしますが・・・。
さて、甑岳と雲海の美しい風景に歓喜し、いよいよ甑岳登山へと向かうのですが、数日前に随分と冷え込んだせいか『不動池』の水面は氷に覆われていました。
不動池は、直径約200m 水深(最大)9m程の火山性湖沼(火口の跡)です。水質は酸性度が高く(PH=4.5)で生物はあまりいないそうです。
そのせいか、水は澄んで透明度が高く青々と奇麗な水面を見ることが出来ます。又、不動池は歩くのが苦手な方にもお勧め。県道1号線沿いにあり、車から降りてすぐ眺めることが出来ます。
氷の張った不動池を皆で珍しそうにのぞきながら、甑岳へと向かいます。赤松やツガ・モミの木等が生い茂る森の中を進みます。九州南部では珍しい甑岳の針葉樹の林は、国の天然記念物にも指定されているそうです。この日は気温が徐々に上がり始め、雪解けで少し足元がぬかるんでいる所が少しありました。
人工的な音が一切ない自然の森はとても静かす。赤松の木々の枝葉から木漏れ日がさし まるで宮崎駿監督作品 もののけ姫に登場する 木霊が住んでいそうな神秘的な雰囲気を醸し出しています。
途中、休憩をはさみつつ えびの高原の植生についての話等説明を受けながらいよいよ甑岳の麓に到着。遠くから眺めて、想像はしていましたがかなりの急斜面です。
ネイチャーガイドの森さんの話では30分位急こう配の登りが続くという話しでした。慣れない山登りに加え、お天気も非常に良いおかげで額から大量の汗が・・・。
日ごろの運動不足がたたっているのか、などと思い後ろを振り返れば上着を脱いで上半身はシャツ1枚の人もいる始末。下の画像はへとへとになりながら急な登り坂を撮ったものです。
生えている木々の枝葉につかまりながら、ひたすら登ることに精一杯で悪戦苦闘すること約20分、ネイチャーガイドの森さんから後ろの風景を見てみて下さいと促されふり返ると、韓国岳の姿が目に飛び込んできました。苦労して登ってきた事もあり、その眺めはまさに絶景です。
その後、ほどなく甑岳の頂上に到着。甑岳は標高1.301mの山で頂上には心地よい風が吹いていました。皆、カメラや携帯電話などでその風景を存分におさめました。
ガイドの森さんの説明で、甑岳山頂の中央部を見ることとなりました。
山頂の中央部はくぼんでススキの原っぱが広がっております。下の写真では少し解りづらいかもしれませんが、少し水の溜まった所がありますね。ここは湿原なのだそうです。
モウセンゴケという食虫植物の仲間が自生していたりするそうです。夏から秋にかけては、湿原に住むカエルを目当てに蛇が出てきたりする事もあるそうなので注意が必要です。
火山地帯という厳しい環境の中にも、生き物たちはたくましく生きているんですね。
私、鹿児島に来て約20年。えびの高原は、近くに住んでいながらも これまであまり目を向けなっかったスポットなのですが、今回の研修を終えてお気に入りの場所になりました。
現在も活動を続ける火山地帯の中にあって噴火の怖さもありますが それ以上に豊富な温泉等自然の恩恵を受けて私たちは生きています。
新燃岳の噴火から一年たって感じることは、噴火は霧島の事を知る良いきっかけになった様に思えますし、お客様の足が霧島から遠のいていく中、みんなで団結して絆を深める機会を与えてくれた様に思えます。 これからも霧島で頑張っていきたいという気持ちを再確認出来た一日でした。
皆さんも 霧島へお越しの際には、是非 えびの高原へ足を運んでみて下さい。山登りをしなくても 気軽に散策できるコースもありますし、野生の鹿も沢山生息していて子供達にもお勧めの場所ですよ。そして、霧島の事をもっと沢山の人にしってもらえたら嬉しいです。
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